選択と生活

わたしと家族らしい付き合いをしたい人と話をして、すべてから逃げ出したくなってしまった。何か意見することもできず、どんどん話が進んでいくのをそういう物語を見るように見ている。わたしは「自分ひとりで自分の生活を選択できる」ことを何よりも大事にしたかったのだと、最近気付いた。本当はそれも正しくなくて、もっと意地の悪い考えで、わたしは人の思い通りになりたくないし誰の気も済ませたくないだけなのかもしれない。幼稚で我が儘だと一蹴されるようなことばかりを考えている。


聴力が良くなることはないし、機能が戻ることもないらしい。怪我が完治するのもまだ先らしい。体調もこれ以上回復することはないらしい。それでも退院したら社会にしがみついて平気な顔をしていなければわたしが望むものは手に入らないのだとわかっている。何にも問題ないと証明しなければもう望む場所に戻れないのだとわかっている。不安でこわくて恥ずかしい。