2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

この部屋いっぱいの孤独

脳外科の先生がきて、簡単なテストを受けた。できないはずないのに全然できなくて、ただひたすらベッドの上で一日が終わることを考えていただけのときには考えられなかった「後遺症と付き合いながら社会で生きていく自分」を考えて絶望した。体が良くなって…

取り残されても

クリスマスイブは看護師さん10人くらいがサンタの格好をして病室を回っていた。クリスマスカードをくれた。入り口で「メリークリスマス」と言って手を振り合うだけの時間にどうすればいいかわからなくなりつつ、何が作用したかわからない涙が出てきて驚いた…

遠くから見ている

体調が少し良くなり頭がぼんやりとする時間が減って、病院で何もできない自分に苦痛を感じる時間が増えた。入院や手術の費用、有給などない仕事、ただでさえ経済的に苦しい実家、いつから働けるかわからないまま払い続ける家賃、いろいろなことが不安でどう…

本当に思っていることを

別の箇所に怪我が見つかったり新たに良くない症状が出てきたりして気落ちしている。いつ大丈夫になるのだろう。ベッドの上で先のことを考えると、知らない街で迷子になっている気分になる。 つらいニュースを知ったり、病室の他の患者さんと先生がつらい話を…

過ぎる光を

病院のベッドで眠るときの寝苦しさや体の痛みに、夜行バスの雰囲気を感じて懐かしくなった。わたしは夜行バスが好きだ。まず夜に出発する乗り物が好きだし、30人ほどが同じ場所に向かって眠ったまま移動するだけの空間を愛おしく感じる。たくさんの他人の生…

わたしの存在が大丈夫になるとき

昨日先生と話したことも曖昧だったりしてこわい。わたしは人と話したことや思い出を必要以上に大事にしすぎるタイプだと思ってきたので、自分が何も覚えていないかもしれないという状況に怯えている。体調の良い日は日記を書こうかなと思った。 唯一の友人に…

幼い頃のあだ名で

事故で入院して1週間が経った。病院に運ばれたあとしばらく意識が戻らず、両親が地元から来ていた。なんとなく父と母の顔を見た記憶があるが、すべて夢だった気もする。ICUから一般病棟に移って携帯を触れるようになり、父からLINEがきた。わたしのことを小…