海底と衛星

体調が悪くて頭が回らないが、『違国日記』最終巻を読んだ。何度読んでも、生きる人間のまなざしと救いのある物語だった。


たまに海底で生きている想像をして、ひとりでいることに納得しようとするのだけど、笠町くんの言う「衛星」は理想的だなと思った。衝突しないくらい、軌道を逸れないくらい、の距離で人を大切に思う。ひとりで死ぬとしても、ひとりぼっちではない。これからもひとりだと思い悩まなくても良い。


最終巻はずっと泣いていて、好きなシーンを挙げたらキリがないのだけど、読み終えた後に醍醐が言っていたことを繰り返し考えていた。

この話とはまた違うけど、昔好きな人に「何の努力もせず好きになってもらおうと思うな」と言われたとき、自分にその考えが全くなくて何を言っているのかわからなかったことを思い出した。わたしはずっと、草花が揺れているのを眺めていたら自然と大事なこと全部分かり合えるような、そんな奇跡のようにぴったりとはまる関係を特別に愛するべきだと思っていた。わたしは誰かを大切にするために心を砕いたことも、しんどい努力をしたこともないのだと思う。もしも人と分かり合いたいのならば、それじゃだめなんだろうなぁと痛感したのだった。

 

何を言いたいかわからなくなってきたので寝ます。