この部屋いっぱいの孤独

脳外科の先生がきて、簡単なテストを受けた。できないはずないのに全然できなくて、ただひたすらベッドの上で一日が終わることを考えていただけのときには考えられなかった「後遺症と付き合いながら社会で生きていく自分」を考えて絶望した。体が良くなって歩けるようになればまた東京に戻れるし、今までみたいに頑張れば大丈夫なのかもしれないと何となく考えていたが、そんな簡単な話ではなかった。先生の前で泣いてしまった。


退院が近づき、退院手続きや支払いに関する話をしに事務員さんが来ることが増えた。まだ金額は確定していないが、保険会社の手続きが終わるまでに自分の貯金だけで支払える気がしない。


実家に帰ることで家族が揉めている。姉にあまり良く思われていないらしい。グループLINEで父が「少しの間我慢してやってくれ」と言っているのを見た。「気を遣わせてすみません」を入院してから馬鹿みたいに言っている。人に嫌われたり呆れられたくない。上京してひとり家で静かに暮らすのは孤独ではあったけど、自分で片付けられる問題ばかりがあって、毎日つらいながらも部屋のサイズ以上の苦しみはなかった。

 

もう一年が終わるけど、何も考えたくないし誰のことも思い出したくない。救いがほしいとかバカなことを思ってしまう。救いがなくても生き延びてしまうのだからどうすればいいんだろう。いつものことだけど暗い日記になってしまった。