甘い水

くだものが好きなんだけど、なぜかと言うと、きれいで甘くて水がたっぷりで、ずっと心の中にわけもわからず存在する罪悪感が少し薄くなるからだと思う。大丈夫になる味がする。


去年はくだものをたくさん食べた。自分ではじめて桃やシャインマスカットを買った。えいやっと思えば高いくだものを買えるなんて、ちょっと前まで考えられなかった。こんな生活を送れているのは運がよかっただけなんだけど、必死に社会にしがみついている自分がゆるされた気分になる。


何にもなれなくて何も持っていなくて美しくなくて賢くなくて優しくないなら、何が何でも社会でそれっぽく生きなければならないのでしょう。みんなが立派に見えて情けなくなるけど、しがみつきながらどうにか生活していくしかない。


1年くらい前までは、明日まで生きていられるかもわからなくて定期を買えなかった。今もわたしの永遠は2週間先くらいまでしかないけど、定期は買えるようになった。世界は生きていける人に合わせてつくられているから、わたしもそこに合わせていくしかない。


年が明けましたね。東京で年を越すのは2回目で、ずっと家で漫画や本を読んだり配信ライブを観たりしていた。

1回目は3年前で、好きだった人と人生初のパチンコに行っていた。はじめてのパチンコはちょっと楽しかった気もするし、パチンコの前にデニーズで朝ごはんを食べながら勝ったらどうするって話していたのがアホみたいにうれしかっただけな気もする。思い出話ばかりするのをやめたい。


今年もどうやって生きていけばいいかわからないけど、なんとかやっていきたいと思います。よろしくお願いします。